前ページではジャンプするフォームの重要性を説明させていただきましたが、 もう一つ、重要な要素があります。
本ページでは、筋肉の起こす反射活動、伸張反射について記載させていただきます。
筋肉は、引き伸ばされると、元の長さに戻ろうとして筋活動を引き起こします。 これは、脳からの指令による筋活動ではなく、意識の外で生じるものです。 筋が伸張して起こす反射活動なので伸張反射といいます。
筋肉の中には、その筋肉が引き伸ばされたことを感知する「長さセンサー」が埋め込まれています。 この長さセンサーを筋紡錘といいます。
筋紡錘は、筋肉が引き伸ばされた長さを感じ取るセンサーの働きをし、引き伸ばす速度が速いほど その直後に生じる筋収縮(伸張反射)は著しくなります。
例えばジャンプする際、大腿部の筋肉が筋が引き伸ばされて長くなると、筋紡錘が活動して、シグナルが脊髄まで戻って、 引き伸ばされた筋肉を支配している運動ニューロン(脊髄にある)を興奮させます。
運動ニューロンが興奮すると神経の細胞体からシグナルが伝わり筋肉を収縮させます。
その結果、引き伸ばされていた大腿部の筋肉は、自動的に必要なだけ収縮し、元に戻ろうとします。
このように、人間は、意識せずとも筋肉をうまく使う機能が備わっています。 膝を深く曲げてみようとか、かかとを強く伸ばそうとか、意識すると ジャンプする際、体の自然な反射運動を妨げる行為になりかねません。
正しいフォームを身に付けたら、あとは、体の自然な反射機能に任せるべきです。 そして、その為の筋肉を強化することも重要な課題です。
3.2 腹筋
腹部の筋肉です。 腹筋には、腹直筋と左右わき腹に外腹斜筋、その内側に内腹斜筋があります。 腹筋は、上体を起こしたり、大腿部を引き寄せたり、腰や上半身を回転させたりといった様に、上半身の大きな動きを担う主要な筋肉といえます。 腹筋を鍛えることは、背筋と同様、上半身の動きを力強くする為に非常に重要な筋肉です。背筋と腹筋はセットで鍛えましょう。
腹直筋(ふくちょくきん)は前腹部の6つに分かれた筋肉です。 上半身の伸縮運動に強い影響を与える筋肉です。 バレーボールではスパイクの地面を蹴り上げる瞬間、上体を起こす動作に関わります。
0.股関節と膝関節を屈曲させた状態
1.腕の振りで下半身に反動を与える。
2.大臀筋とハムストリングで股関節を伸展させる。
3.腹筋と背筋で、上体を伸ばす。
4.大腿筋が膝を伸ばす。
5.つま先が地面を蹴り上げる。
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