島崎 藤村(しまざき とうそん、1872年3月25日(明治5年2月17日)- 1943年(昭和18年)8月22日)は、日本の詩人、小説家。本名は島崎 春樹(しまざき はるき)。信州木曾の中山道馬籠[1](現在の岐阜県中津川市)生れ。
『文学界』に参加し、ロマン主義詩人として『若菜集』などを出版。さらに小説に転じ、『破戒』『春』などで代表的な自然主義作家となった。作品は他に、日本自然主義文学の到達点とされる『家』、姪との近親姦を告白した『新生』、父をモデルとした歴史小説の大作『夜明け前』などがある。
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自然主義文学
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自然主義文学(しぜんしゅぎぶんがく)は、19世紀末にフランスで提唱された文学理論に基づく作品、およびそこから影響を受けた日本の20世紀前半の文学のこと。
エミール・ゾラにより定義された学説の下、19世紀末、フランスを中心に起こった文学運動。自然の事実を観察し、「真実」を描くために、あらゆる美化を否定する。チャールズ・ダーウィンの進化論やクロード・ベルナール著『実験医学序説』の影響を受け、実験的展開を持つ小説のなかに、自然とその法則の作用、遺伝と社会環境の因果律の影響下にある人間を描き見出そうとする。
フランス [編集]
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家 (小説)
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『家』(いえ)は、島崎藤村の長編小説。1910年1月1日から5月4日まで「読売新聞」に「上巻」を連載。翌年、「中央公論」に1月、「犠牲」の題名で「下巻」の「一」から「五」を、4月、「六」から「九」を、続編として発表。11月に緑陰叢書第三篇として自費出版。
小泉家と橋本家という二つの旧家の没落を、相互の歴史を明らかにし、新時代の「家」と対比して描いた作品。小泉家は藤村の生家である島崎家を、橋本家は藤村の姉園が嫁いだ高瀬家をモデルとしており、明治期の家長制度を描写している。自然主義の到達点とされる。
あらすじ [編集]
木曾には小泉家と橋本家という二つの旧家が存在する。その家長の小泉実と橋本達夫は、伝統的な旧家の生き方などに縛られ時代から取り残されつつある。一方、その後を継ぐ橋本正太と、達夫の弟の小泉三吉は、自らが旧家の生れであるという呪縛から逃れられない。
家を助けようとした正太は株に手を出したが失敗し、女性関係にも悩まされ名古屋で没する。三吉は夫婦関係や兄との援助関係に悩みつつも作家として大成し、一家の大黒柱のような存在になっていく。
登場人物 [編集]
小泉三吉
島崎藤村自身。妻はお雪。
橋本正太
モデルは高瀬兼喜。薫の長男。事業に失敗し、病のため没する。
小泉実
モデルは島崎秀雄。小泉忠寛(モデルは藤村の父)の子。
橋本達夫
モデルは高瀬薫。橋本家の家長。妻はお種。
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