ここ数年、右肩上がりで市場の拡大が続いていた回転寿司業界に、陰りが見え始めている。
業界の成長期であった2000年からの10年間は、回転寿司であればどんな店でも繁盛したが、近年は大手回転寿司チェーンの店舗が売り上げ不振で閉店を余儀なくされたり、中堅チェーンの倒産が相次いだりしているのだ。
「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」もかつて売上高で業界ナンバー1の地位を守り続けていたが、12年から赤字を計上し続け、14年には外食大手「コロワイド」に買収される事態にまで陥ってしまった。
業界ナンバー1の座も「あきんどスシロー」に明け渡した。
その一方で、一気に業界首位に躍り出ようかという新興勢力の「はま寿司」や、堅調な成長を続ける「無添くら寿司」(くらコーポレーション)など好調な企業も目立ってはいるのだが、業界全体を見ると、過渡期を迎えていることは間違いない。
その最も大きな理由として考えられるのが、国内出店の限界が迫ってきていることだろう。
大手100円寿司チェーンの空白区だった四国、九州、沖縄などに次々と店舗がオープンし、飽和状態を迎えているのだ。
今後は最大の空白区である北海道や、かっぱ寿司の勢力が強かった東北地方に大手の注目が集まると思われる。
出店による事業拡大というビジネスモデルでは遅かれ早かれ限界がくるのは目に見えており、各社は新たなビジネスモデルを模索しなければ生き残れないところにまで来ている。
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